- いくら採用しても人が辞めていく
- 1年、2年、3年、4年と徐々に人数は減少。
- 5年以上はほとんどいない
どうしたら離職率を下げられるのか?
中小企業の経営者も大企業も頭を抱えている課題の一つが人材確保。
一部企業では、人は材料であって、使い捨てればいい。
この考え方を貫くことが難しいのが地方の人口減少エリア。
若手がいない。
こんな会社の中でも以下のような問題は起こっている。
今回の記事では、離職率が高いことを心配する経営者や人事担当者向けに以下の目次でご案内しています。
離職率が高い?平均値
離職率の高い業種や職種
離職率が低い業種や職種
離職率の高い会社の特徴
離職率が高いとどうなる?
離職率を下げる対策注意点
離職率を下げる最初の一歩
離職率が高い?平均値
自分の会社の今の現状について正しく理解することが大切。
離職率の計算方法
離職率とは、どのような計算方法で導き出す数字なのか?
下記の計算式に当てはめます。
離職率=一定期間内の離職者数÷1日1日時点の常用従業員数×100
つまりは、毎年1月1日時点の会社在籍従業員数に対する一定期間の離職者の数の割合。
計算により、従業員がどの程度定着しているのかを計算する基準。
離職率の高い業種や職種
離職率が高い業種や職種は特徴があります。
業種や職種の特徴
下記の業種や職種は離職率が一番高いとデータでも開示されています。
- 飲食サービス業
- 宿泊業
- 娯楽業
- サービス業(接客業)
離職率の高さと見解
- 1年間での退職した割合を計算する
- 新卒の採用の身を計算対象とする
- キャリア採用(中途社員)のみを対象とする
上記のように、計算の対象や比べる期間により計算の結果は異なります。
離職率が高くないように見せる。
このような取り組みをしている会社もありますので、比較は注意が必要です。
離職率が低い業種や職種
離職率が低い業種や職種はどの分野なのか?
- 複合サービス業
- 製造業
- 建設業
複合サービス業とは、大分類の中では信用事業、保険事業又は共済事業と合わせて複数の大分類に当たる各種サービスを提供する事業所。
分かりやすい事例は、郵便局等です。
新卒男女の離職率平均値
新入社員の中でも新卒の学生を対象として計算をするとどのくらいが平均なのか?
下記のとおりです。
性別 | 割合 |
男性 | 26.0% |
女性 | 27.7% |
上記データは早期離職率の割合。
早期離職率とは、3年以内の離職した人を対象としています。
この数字を見ると、いかに離職率の低い業種、職種でも一定の割合の人間は、退職をする傾向があります。
離職率の高い会社の特徴
ではどういう会社の離職率が高いのでしょうか?
原因として考えられる課題をご紹介していきます。
労働時間(拘束時間)
- みなし残業代の支給
- 時間外手当
- 休日出勤
単純に労働時間が長い、変則的すぎるというのは労働者にとって、精神的にも肉体的にも負担を与えます。
さらに、休日出勤や深夜残業を当たり前としながら、時間外手当の支払いをしていない等の会社もあるのが問題点。
残業手当の割増賃金。
残業制度の悪用
こうした問題を抱えている会社は、労働者が不信感を抱くことは避けられません。
人間関係の問題
- パワハラ
- モラハラ
- マタハラ
- セクハラ
上司との人間関係に疲れた。
コミュニケーションが取れない(会話が上手くできない)
罵声や罵倒により、労働者同士が傷つけあう。
こんな状態をいつまでも放置している会社は人の流れが止められません。
また、近年では、男性女性を問わず、育児休暇や有給休暇取得の動きもたかっています。
休みを与えない
正当な評価をしない
このようなことを放置しているのであれば、それは組織的な問題ともいえる。
給与や待遇に対する不満
- 労働の対価に見合わない。
- ボーナスカット、支給なし
同業他社と比較しても福利厚生がしっかりしていない。
このような事情が見えてくれば、当然既存社員のモチベーションも低下。
いずれは見切りをつけて辞めていくという事も考えられる。
評価に対する不満
- 中間管理職に対する重圧
- 新入社員に対するノルマ
課題や目標を掲げることは決して悪いことではありません。
しかし、もし達成したのであればその社員に対してはきちんと正当な評価をするべき。
それを他の社員が成績が悪いから。事業所として成果が上がらないからという理由で成果を出した人間の評価をしない会社も多い。
このような場合は、優秀な人間ほど辞めていく。
会社の将来性に期待できない
- 業績の低迷や悪化
- 回復の見込みがない
- 新しい戦略や打開策の無い経営
採用する時には、適性検査やさまざまな課題を与える。
しかし、結果を出した社員も評価をせず、客観的に見ても妥当と思えない惰性のままの経営。
このような状況では、会社に将来性があると感じる社員は育たない。
- グローバル化
- 人工知能(AI)
- DX化
利益はあるのに、昔ながらの経営にしがみついて利益を上層部だけがむさぼるような状況を社員がそのまま見過ごす時代ではなくなった。
離職率が高いとどうなる?
社員なんて辞めたらまた入れればいい。
働きたい人はいくらでもいる。
こんなことを考えていると、結果的に企業の成長はますます厳しい状況に追い込まれていく。
その理由をご紹介していきます。
人材育成が困難な状態
OJTに力を入れている(動画鑑賞のみ)
先輩がサポート(質問しても曖昧な回答)
こんな状況が続くと、従業員同士の信頼関係も築けない。
結果として、教育コストが増加する。
いつまでも新人が一人前になれない会社。
これが大きな課題となっていくのです。
社内にマニュアルがない
企業において、独自のマニュアルやノウハウがないというのは問題。
- スキルが継承できない
- 人によりやり方が違う(統制が取れない)
- 大きなミスやトラブルの可能性が高まる
このような課題を抱えたままにしておくと生産性は低下します。
結果、新人従業員を雇う際にも育成担当も新人が行うような事態になってしまう。
企業イメージの悪化
当然、離職率が高いことは徐々にまだ働いていない人にも情報として伝わるようになっていく。
- ブラック企業
- 労働環境が悪い
- きつい、汚い、
- 上司がくせ者
- 「人として」どうかと思う
こんな言葉がネット上に広がることで、新規の見込み客にとっても会社のイメージは低下します。
人材確保だけでない。
顧客の流出も次の課題になっていく。
こうなると事態はより深刻なフェーズに突入します。
離職率を下げる対策注意点
- 従業員を確保する計画
- 社内環境の改善
- 待遇や福利厚生の見直し
- 労働環境の見直し
順にご紹介していきます。
従業員を確保する計画
人の流出の止まらない会社ほど次のような事も実践しています。
- 社員同士の紹介を促す(一律30万円支給等)
- 出世コースを開示(ベースアップや昇格の条件開示)
- 資格手当や研修サポート拡充
個人のスキルアップやキャリアアップに必要な工程を全て企業側が道筋を用意する。
これが重要になります。
社員がその会社で働き続けることで自分の将来に何が与えられるのか?
どんなチャンスが用意されているのか?
これを理解することが離職率の改善につながります。
社内環境の改善
社内の人間関係の改善をする。
主にコミュニケーションにおける改善を促すことが重要。
その具体的な方法は?
- 上層部との直接面談を実施
- 社員のストレスチェックなどを定期的に実施
- 体調不良などを早期発見して医療施設等の指示をもらう
このように、ただ現場の状態を眺めているのではなく、何を従業員が悩んでいるのかを実際に聞き取りを行う事も大切。
社員に気を配る経営。
これが今の時代に求められている会社のあり方。
福利厚生の充実
- リモートワークの充実
- パソコン、タブレット、スマホの支給
- 社用車、ガソリンカード貸与
- 制服貸与
- 寮の完備
従業員が働くためにさまざまなモノを用意することは大変。
働くためには、通勤が必要だったり、自分の車を使って営業をする等の活動は実質的にはマイナスが多い現実がある。
だとすれば、経営者は率先して、社員の負担を減らす努力をしなければなかなか人は定着しない。
労働環境の見直し
- 休憩を取りにくい
- 帰りにくい
- 休みとを取りにくい
仕事ができる社員ほど定時で仕事を終わらせている。
それでもなぜかいつまでも周りの目を気にしながらずっと社内で座っている。
こういう労働環境は、プライベートの時間を削る事にも直結します。
それがモチベーション低下にもつながる。
さらには、本人のメンタルヘルスにも悪影響を与える。
社内にいる従業員の個人のスキルに合わせて、どうすれば多くの人が定時に仕事を終える環境を作れるのか?
この点を企業は積極的に仕組みとして構築することが重要になってきました。
離職率を下げる最初の一歩
今いる社員を大事にすることを継続すれば、社風も雰囲気も良くなります。
では新人をどう獲得するべきか?
この点をご案内していきます。
会社が求める人材の具体的要素を追求
どういう人ならこの会社で長く働いてくれるのか?
今いる社員をよく分析することも大切なのです。
例えば、
- 思考の特徴
- 血液型の特徴
- 行動の特徴
- 話し方の特徴
- 外見的な特徴
似た人を入れるという意味では、パーソナリティのデータを集めることが非常に重要。
マネジメントの資質を問うのは難しい問題。
それよりもその環境にフィットする人間を見つけ出すほうが簡単。
相性の良い人間を見つける。
これが、会社にとって、採用後のミスマッチを防ぐことにつながるのです。
似た人間の集まり。
このほうが会社としても組織としてまとめやすい人が集まるのではないでしょうか?
今回の記事でご紹介したかった内容は以上となります。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
参考資料