- 転職活動でキャリアプランを考えておいた方が良いと言われたことがあるけど、どういうこと?
- 面接でキャリアプランを質問されたらなんて答えたらいいのかな?
- 入社後のキャリアプランなんて入社してから考えるではダメなの?
面接の担当者も年々若くなっている会社が増えています。
転職する人の年齢も40代50代が増えたことで、キャリアプランを質問されても何を答えたらいいのかわからなくなっている方が増えています。
キャリアプラン関連記事一覧。
キャリアビジョンとは?考え方や書き方【5年後10年後の作り方】
今回の記事では、転職の面接時の質疑応答の中で「キャリアプラン」を質問された時の回答方法をわかりやすく解説します。
私自身も数百名の面接を行ってきました。
その中で、何を見ているのか、期待しているのかを含めて解説します。
キャリアプランとは
キャリアプランは、個人が自身の将来におけるキャリアの目標や方向性を明確に定める計画のことです。
キャリアプランは自己の価値観、スキル、興味関心、目標を考慮して作成します。
将来のキャリアパスや成長の方向性を示すガイドとなります。
面接でキャリアプランを質問する意図
面接でキャリアプランについて質問される理由はいくつかあります。
面接官の質問の目的
以下の4つの分野を確認しています。
応募者の将来のビジョン | 面接官は応募者が自身の将来におけるキャリアの目標や方向性を明確に持っているかを知りたいと考えています。 応募者が長期的な視野で自己成長や貢献を考えているのか? キャリアプランを具体的に持っているか? 上記2つを把握したいのです。 |
会社の文化やビジョンへの適合性 | 応募する会社の文化やビジョンにフィットし、長期的な関与や貢献が見込めるかを確認したいと考えています。 |
自己成長や意欲評価 | 自己成長に対して意欲を持ち、スキルや知識の習得に積極的に取り組んでいるかを評価したいと考えています。 |
長期的な採用の可能性 | 長期的な視野でキャリアを築き、組織内での成長や貢献が見込めるかを探りたいと考えています。 |
つまり、今入社してもらったら、この人はどんな目標を掲げて、どのような仕事をしたいと思っているのかを確認したいのです。
人材育成が難しい時代
面接時の人柄と入社してからの人柄がまるで別人ということもあります。
少しでも社員の離職率を改善したい会社にとっては、自分たちの扱いやすい社員を入社させておきたいと考えるケースもあります。
特に、ベンチャー企業やルールなどがこれからいろいろ考えながら実行するという会社は、自分たちに合うのか?というより体育会系などの社風に合うのかを確認している傾向があります。
面接でキャリアプランを質問された時の回答方法
中小零細企業と大企業でも考え方は違います。
外資系と立ち上げたばかりのスタートアップ企業でも考え方は異なります。
組織形態や業種、職種などによっても異なります。
しかし、人間性をアピールするとすれば、考え方は似た部分もあります。
回答で意識するべきポイント
以下の4つは明確にしましょう。
具体性 | 抽象的な目標ではなく、具体的で明確な目標を示しましょう。 例 半年後、1年後にどんなプロジェクトでどのような成果を達成したいのか? |
長期的視野 | 短期的な目標だけでなく、将来の展望やキャリアパスも考慮した回答を心掛けましょう。 例 3年後、5年後の自分の部署の売上を数倍にしたい、その中身の内訳も明確にする。 |
目標との関連性 | 応募する職務や業界とキャリアプランがどのように関連しているのかを説明しましょう。 |
自己成長への意欲 | 自己成長やスキル習得に対する意欲を強調しましょう。 |
どの仕事でもその会社の強みがありますし、弱みもあります。
その弱みと応募者の強みが絡み合うことで、企業に貢献するという目的意識やその人を企業が採用するメリットやベネフィットを伝えることが重要です。
面接で落ちやすいキャリアプランの回答例
うまく答えられなかった。
全く考えていなかった。
という方もいらっしゃいますが、しっかり計画を立てて、その通りに回答したはずなのに、落とされたという人もいらっしゃいます。
振り返りのポイントをわかりやすく解説します。
漠然とした目標
具体的な目標や方向性を欠いた回答が目立ちます。
具体的には、1年後に年収1000万円になりたいです。
とにかく稼ぎたいです。
これは、単なる願望であって、目標と呼べるものではありません。
一辺倒な計画
一つの職務やポジションでも周囲とのバランスや協力体制が欠かせません。
固執した考え方が伝わってしまうことで、柔軟性が欠けていると判断されることもあります。
例えば、看護師という有資格者の仕事を探す時には、診療科や病棟、外来などに強いこだわりがあると、配置転換や異動の指示が出しにくくなります。
会社への依存
会社を選ぶ際に、福利厚生が充実しているという点を意識して選んでいる人も増えています。
特に、人事評価を半年に1回行ってくれるとか賞与が年4回などの給与形態で目標を口にする人は、自分の努力を会社が評価してくれなかったといった対応を予測します。
会社に依存するのではなく、認めさせる、新しい可能性を感じさせることが重要。
私が面接官を担当していた時にも、報奨金について細かく質問してきた人は、たいてい落としていました。
なぜなら、報奨金はあくまでチームとして達成するものですが、新人にとっては、おいしい思いができる対象という意見も出ていたからです。
やる気のある人もない人も均等に割り振られているような状況では、新しい稼ぎ頭を期待しています。
つまり、おんぶにだっこを期待するような発言の人は、会社のお荷物になりかねないという見方もあります。
面接前にキャリアプランを考えるポイント
まずは以下の4つを実践しましょう。
自己分析を行う
自己分析はキャリアプランを考える上で重要なステップです。
以下のポイントに注意して自己分析を行いましょう。
スキルと興味関心の洗い出し | 自身が持っているスキルや経験をまとめます。 興味関心を整理しましょう。 これにより、 自分が得意な分野や業務の特徴 関心のあるテーマ などを明確にすることができます。 |
価値観の明確化 | 価値観 信念 を考えます 仕事において重視する要素は何? 理想的な働き方とは何を求めているのか? この答えを明確にしましょう。 これにより、自分にとって重要な要素がまとまるので、企業選びにも関係します。 |
強みと成果の分析 | 自分が得意とすることと過去の実績、成果を振り返りましょう。 自分の強みと言えるのは、成功体験に基づいていることが重要です。 自称ではなく、実績に基づくことでキャリアプランを構築することができます。 |
長期的な目標と短期的な目標を設定する
長期的な目標と短期的な目標の設定は重要です。
以下のポイントに留意しながら目標を設定しましょう。
長期的な目標 | 自分の将来の姿やキャリアの方向性を具体的に考えましょう。 5年後 10年後 いつ、どのようなポジションで、どんな役割を持ちたいのかをまとめましょう。 |
短期的な目標 | 長期的な目標に向けて、短期の目標を具体的に決めましょう。 短期で重要なのは、自分一人でできることに的を絞る事です。 周囲の協力が無ければ達成できないことを短期の目標にしてはいけません。 |
組織や業界のニーズとのマッチングを考える
いくら自分のやりたいことやスキルがあっても、その業界、職種、企業がそういう人材をもとめていなければミスマッチで終わってしまう可能性が高いです。
以下の点を確認しましょう。
研究と情報収集 | 応募する企業や業界の特徴やニーズを調査しましょう。 退職者の口コミや評判も重要です。 自身が組織や業界の要求に合致しているかを把握することができます。 |
スキルや経験のブリッジング | 自分の持つスキルや経験と、応募する職務や業界の要求を比較しましょう。 |
成長の可能性 | 応募する企業や業界が提供する成長の機会やキャリアパスを考慮しましょう。 具体的には、外部の研修参加の機会を与えてくれたり、資格取得支援なども対象の一つです。 |
自分がその会社に入れば、どういうことで貢献できるのか?をより具体的にイメージできる人のほうがアピールポイントがはっきりしています。
何となく応募したのかは見ているとわかります。
組織内の人間関係が殺伐とした会社や離職率の高い会社は、応募者をやたら褒めます。
こういう面接官のいる会社は、ブラック企業の可能性も考えて、慎重に回答しなければいけません。
採用されるかどうかだけではなく、入社してから辞めておけばよかったと思わないようにするために、自分自身の将来をじっくり考えておきましょう。