- 看護師の中でも優しいと思っていた人が突然いなくなっていた
- 「あの看護士さんは優しいね」と評判が良かったのになぜ退職したのだろう?
- 看護師という業界は優しい人ほど続かないのかな?
医療現場で15年以上看護師と仕事をしてきた中で感じた退職理由の共通点などをご紹介します。
今回の記事では、優しい看護師辞めていく理由をわかりやすく解説します。
優しい看護師が辞める職場の特徴
優しい看護師さんほど退職してしまう現場には特徴があります。
ワンマン経営者やボスがいる
新人いびりやいじめ
仕事ができない等の悩み
順にご紹介します。
ワンマン経営者やボスがいる
職種、業種問わず、退職理由に多いのが、人間関係の悩み。
特に医療現場の場合、医師のパワハラや看護師同士のいじめなどがあります。
- 個人開業医(クリニック、診療所)の院長に目をつけられる
- 新人よりも長くいる人を大事に使用する
などの傾向があると、新人は長くは続きません。
ワンマン院長のパワハラに悩む優しい看護師が辞める前に知っておきたいこと
新人いびりやいじめ
看護師同士の人間関係として多いのが、新人潰し。
- 自分の仕事を新人に押し付ける上司
- 上司は仕事をしないのに、新人には厳しい
- 質問をしても答えてくれない、教えてくれない
こんな対応を繰り返し、最終的には、「あの子は使えない」という発言を耳にしてうつになってしまう人もいます.
仕事ができない等の悩み
- 試用期間中
- 病院からクリニック、診療所など規模の違う施設への転職
- 診療科の変更による業務内容の違い
上記のような経験の中で、仕事が覚えられない、患者さんや家族とのコミュニケーションに悩んでしまう人もいます。
結果的に一人で悩んでしまい、誰からも助けてもらえなくなってしまう。
この時、自分さえ我慢すればいいとか、自分の努力が足りないせいと自分を責めてしまう人がいます。
仕事ができない看護師の特徴【できるようになる対策を現場経験者が解説】
優しい看護師の退職理由【現場の声】
実際に私が現場にいた時に「優しい」とか「おだやかな性格」と言われていたスタッフが辞めたいと相談してきた時の退職理由をご紹介します。
精神的苦痛
- 自分だけ指導をしてもらえない
- 質問しても無視される
- 他のスタッフと明らかに態度も口調も違う
など、あからさまないじめともとれるような反応に疲れてしまったという声が多いです。
特に、医師と合わない場合は致命的です。
誰もかばってくれないどころか機嫌が悪い時にも狙われてしまうので、精神的に休まる時がありません。
看護師のストレス解消法|仕事や人間関係の悩みを解決する転職方法
面接時の説明とのギャップ
私自身が面接を担当することもありました。
現場の看護師不足は深刻です。
しかし、人材不足だから誰でも良いということではありません。
私が面接を行った際には、業界未経験の方にも注射や点滴、処置などの得意な分野なども細かく確認をさせていただきました。
しかし、こういう面接をしている医療機関ばかりではありません。
- 好待遇
- 休みがとりやすい
- アットホームな職場
などと好条件ばかりを謳っています。
しかし、現実は?
- 結果は残業が当たり前だった。
- 休日時間外出勤や急なシフト交代を平気で伝えてくる。
こんな現場もあります。
こんな状態が続くと、面接時と言っていることが違うということで、辞める人も多いです。
面接時の説明とのギャップに悩むあなたへ!入社後のミスマッチを防ぐための対策と注意点
患者に対する感情移入
特に新人の看護師に多い悩みの一つに感情移入があります。
病棟でとてもよくしてくれた患者様の最後を看取る時、家族と同様に感情移入してしまう人がいます。
忘れられない経験を積み重ねてしまうと、いつしか精神的につぶれてしまうのです。
言い方を変えると、優しすぎる人も苦しくなるのです。
看護師は患者に感情移入すべき?メリットとデメリット、辛い時の対処法を解説
現場の体制と患者の声に悩む
- 患者様により良いサービスを提供したい。
- 現場を変えたい。
積極的になればなるほど、医療現場の見たくない部分も見えてきます。
中でも、設備の老朽化による問題点は影響が大きい。
他の施設では当たり前のことが、なぜこの施設では古いやり方をスタッフに押し付けているのか?
こんなやり方をしているから患者様が苦労している。
こう思って、新しいやり方や設備の導入を進言する。
しかし、すべて却下。
こんなことを繰り返しているうちに、仕事が忙しくなっているのは、管理体制の問題だと気付く。
すると、これ以上何を言っても無駄と思ったら、静かに自ら身を引くという行動も多い。
新人に多い白衣の天使へのあこがれ
特に新卒看護師に言える内容です。
新卒の中には、ナイチンゲール看護にとらわれている人がいます。
ナイチンゲール看護とは、「新鮮な空気、陽光、暖かさ、静寂さを適切に滴余水、食事を適切に選択し与えるなど、すべての病人の生命力の消耗を最小限にするよう適切に行うことである。」
子どもたちの健康管理の基礎理念としても使われている内容です。
しかし、現場はそう簡単にはいきません。
時間に追われ、緊急や不測の事態にも臨機応変に対応しなければいけない。
つまり、学校で学んだことがほとんど通用しないこともあります。
組織から評価されない
頑張っていればいつかは報われる。
今は愚直に耐えるしかない。
自分一人で抱えてしまう人は、「いつかは」と願って頑張ります。
しかし、その頑張りを組織が都合よく使おうとすることもあります。
結果、いくら一人で必死に対応しても周りのスタッフは見て見ぬふり。
自分が仕事ができないと思われたくないから、他人の頑張りを認めたくない。
こんな環境になっている職場もあります。
誰にも何も相談ができない
簡単に言えば、いじめの対象になる。
他にも、看護師という職種は、一般のサラリーマンやOLと違うと思っている人が多いです。
具体的には、友達や昔の同級生たちに職場の悩みを打ち明けても「看護師って稼げるんだからそのくらい当たり前じゃないの?」と言われてしまう人もたくさんいます。
結果、誰も自分の状況や環境を理解してくれる人がいないという感情が芽生えてしまうと、「看護師なんて二度とやらない」と考えてしまう人も多いのです。
看護師は二度とやらない!離職率の高い職場の特徴|退職検討中の方必見!
優しい看護師が辞めたい時の対処法
正直、ストレス発散とかオンオフを切り替えるとか人間関係を変えるなんて言葉を口にする人は、ほとんど現場を知らないのだと私は思っています。
特にオンオフを簡単に切り替えられる人は悩みませんし、つぶれたりしません。
人間関係を変えることができる人は、ストレス解消ができます。
そんなことで解決するなら、このページは見ていないはずです。
私が伝えたいのは、辞めたい時の対処法です。
自分の健康状態を把握する
特に怖いのは、自分が今の職場に居続けてつぶれてしまうことです。
つぶれてしまうとは、簡単に言えば、鬱になってしまうという状態。
うつ病になってしまったら、その後の人生も大きく変わってしまう可能性があります。
隠れうつの人はたくさんいます。
現場で頑張りすぎていると、ついつい自分の健康状態を無視して働き続けてしまう人は多い。
だからこそ、医療機関で健康診断やカウンセリングなどを受けておくことをおすすめしたいのです。
場合によっては、休業したほうが良いと言われることもあると思いますが、その場合は素直に休みを取ることをおすすめします。
優しい看護師が転職で成功する方法
性格は簡単には変えられません。
そして、看護師の職場はどこに行っても似たようなものです。
私自身も個人の診療所、介護施設、総合病院など複数の医療機関で従事しましたが、やはりどこでも似たような悩みを抱えている人がいます。
ではどうしたら、自分の人生を楽しめるようになるのか?
異業種転職をしてみる
看護師の異業種転職は意外といろいろあります。
例えば、
- 保険の営業職
- 水商売
- アパレルや販売員のお仕事
- 介護用品などの取り扱い店舗のスタッフ
など、身体的特徴に対する悩みを解消するサービスに関わるお仕事でも資格は生かせます。
もう二度と看護師という立場を使いたくない方には、製造業など全く違うタイプの仕事を選んで結婚できたという人もいます。
優しい看護師が転職で失敗する方法
反対に失敗する方法もあります。
それは看護師用の転職サイトを利用すること。
正直複数ありますが、どの業界にも業界経験者や看護師はいません。
多くの会社がインセンティブ目的です。
採用に困っている施設を紹介する。
単なる営業マンやOLが対応しています。
有資格者が自分の履歴書を公開してまで依頼するようなサービスではないと伝えたいのです。
本当に現場が好きで、職場を変えたいと思ったら、まずは、自分で職場見学を希望することをおすすめします。
面接の前に、現場を見学するだけでもかなりイメージがつかめますよ。